通常学級に在籍する発達障害が疑われる児童生徒における仲間関係の実態
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概要
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本研究の目的は,発達障害児の仲間関係について,実態とその背景を明らかにすることであった.大学生の回想を分析した調査研究では,同級生が発達障害児に対して無関心であったり,意図的に距離を置いたりする関係を形成する傾向が示唆された.このような実態をさらに詳しく調べるために,両者の関係が拗れた一事例について検討を行った.観察とインタビューの結果を勘案した結果,発達障害児が示す困難に対する不可解さから生じる周囲児の困惑や抵抗感が,不適切な仲間関係に影響していると推測された.これらの点をふまえ,両者の適切な関係形成の支援について考察した.