大学における発達障害学生への支援についての一考察
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概要
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2006 年に義務教育段階での特別支援教育が本格導入されたが、大学における発達障害学生への支援はまだ始まったばかりである。わが国の約3割の大学に発達障害のある学生が在籍し、学業上の問題や大学生活上の問題を抱えている。米国では法律によってほとんどの大学に障害学生支援システムが整備されるようになったが、日本には大学で障害児・者をどのように支援するのかを規定した法律はない。発達障害をもつ学生が入学前にすべきことは、高校と大学の違いを理解し、将来の夢に学士号が本当に必要かどうかを検討することである。また、支援を求めるために自らの障害を表明するかどうかも考えておくといいかもしれない。しかし、診断を持つ学生の割合が約16%と、生活をする上で困難を抱えていたとしても、医療機関を受診していなかったり、診断名を持っていなかったりする学生が大半という事実がある。したがって、入学時の健康診断の際にメンタルヘルスを測る心理テストを実施している大学もある。入学後の支援については、講義、定期試験、学内生活、安全対策、就職支援など多岐にわたる領域での支援が求められる。さらに、成人生活に必要なスキルを身につけ、インターンシップ等に参加することで、就労に向けて準備できるような支援システムを作っていくによって、発達障害学生の自己実現に近づけるのではないかと考えている。
- 2010-03-20
著者
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