サッチャー政権の経済政策 : 対外経済政策に着目したイギリス「コンセンサス政治」概念の再検討
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概要
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本論文はサッチャー政権の経済政策を分析するにあたって、その対外経済政策、特に国際資本移動の自由化に大きな関心を払うことを提案する。従来サッチャー政権の経済政策はケインズ主義からマネタリズムへの移行という文脈の中で理解されてきたが、サッチャー政権の真の革新性はイギリス経済につきまとう経常収支赤字へのアプローチの仕方にあった。すなわち、サッチャー政権はそれまでのように経常収支赤字自体の削減を目指すのではなく、外国からの資本流入(資本収支の黒字)によって経常収支赤字を相殺しようと試みた。1979年の為替管理撤廃により国際資本移動が完全自由化されたことや、1986年の金融「ビッグバン」(規制緩和)は、このようなイギリス経済運営の大きな変化の一環として位置づけられよう。
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