新生児看護の倫理:重症障害新生児の最善の利益とは何か
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概要
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本研究は,NICUに勤務する看護婦の語りから重症障害新生児の最善を明らかにすることを目的に行われた.研究デザインは,看護者が語った重症障害新生児の最善の利益を通じて帰納的に探索する質的記述研究である.研究協力者は異なった施設のNICUに勤務する15人の看護師であり,分析は主にgrounded theory approachを用いた.看護婦が語った重症障害時の最善の利益に関する部分を検討した結果〈生きるための医療をすること〉〈苦しくないこと〉〈愛されること〉という3つのカテゴリーが抽出され,それらを統合すると看護師たちは,重症障害新生児の最善の利益は〈よりよく生きること〉であると考えられた.つまり,看護師たちは,その子が〈生きるための医療をすること〉とは,その時の医療水準や社会状況に照らして,当然必要とされている医療のことであると同時に,子どもが〈苦しくないこと〉を前提とした医療であると考えられた.さらに子どもが苦しくなく,生きるための医療について考えるとき,子どもを愛していなければそれを考えることはできないとした.看護師が語る重症障害新生児の最善の利益をまとめると,子どもが愛され,苦しくなく生きるための医療が考えられ,それは子どもの最善の利益である〈よりよく生きる〉に結びつくことであった.
- 新潟県立看護大学の論文
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