子どもから家庭へつなぐ食育〜 保護者の「学び」からの検討 〜
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概要
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食をめぐる様々な問題1を背景に、食育基本法が制定され、子どもたちに対する食育の重要性が謳われたことにより、学校(幼稚園)や保育所が食育を推進するための種々の体制整備が進められた。これを受けて、ほとんどの幼稚園や保育所ではにわかに食育の取り組みが進められている。しかし、食育の具体的な内容や方法がどこからも示されなかったために、できることから手探りではじめたところが多い。また、子どもたちに対する食育は、幼稚園や保育所と保護者による家庭における取り組みが連携して推進される必要があり、保護者の理解や協力は重要な鍵となる。幼稚園や保育所は、保護者へ働きかけることの重要性や必要性を強く認識しているが、その対応に苦慮する場合も多く、日々積極的に行われてはいない現状にある。ところで、幼稚園や保育所が食育の取り組みを始めると、子どもだけでなく保護者の食生活にも変化が見られる。保護者に対しては直接的な働きかけを行っていない場合が多いので、この変化は子どもからの波及効果(影響)と評価されることが多い。しかし、人が習慣的な食行動を変えるためには、(内面的)動機づけが必要であることを考えれば、保護者が主体的に何かを学び動機づけが起こり行動変容したと積極的な概念で捉えなおすことが必要であろう。そして、保護者の主体的な学びが得られるような食育内容や方法を検討することは、今後、幼稚園や保育所が食育を推進する上での重要な示唆となり得るだろう。本研究では、筆者らが実施した「食を通した子育ち、子育て支援事業」の中の「幼稚園児と保護者を対象とした体験学習会」の内容と実施過程を振り返りながら、幼稚園が子どもを対象として食育に取り組んだ際に見られた保護者の変化について、保護者が子どもから主体的に何かを学び行動変容したと捉えなおすことを試みた。さらに、幼稚園や保育所が保護者に対してどのように働きかけたらよいのか示唆を得るために、食育内容や方法を検討した。
- 2010-03-25
著者
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