地域文化に密着した言語学習の可能性 : 沖縄大学CALL対応のマルチ言語学習システム開発プロジェクト
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概要
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本論文は現在沖縄大学で進行中の、沖縄と日本(本土)の文化に着目した多言語(英語、中国語、日本語)映像辞書作成プロジェクトについて記述したものである。本プロジェクトは沖縄大学の学生が、言語的、及び文化的に異なる背景を持つ人たちと自分達の生活と環境について話ができるようになるためには、それに要する語彙を習得することが必要であるという認識からスタートした。当プロジェクトで作成中の辞書はテーマ毎に構成されている。このような形態を取るのは、言語習得においうて利用される記憶システム、及びネットワーク状に構成される心的辞書についての知見に基づいている。映像(静止写真、及び短い動画)を利用するという点については、語彙学習において、概念イメージを構築することが語彙習得には有効であるということを実証した研究に基づいている。また、学習様式に関する研究では、学習者にはそれぞれが好みの学習様式があるということが明らかになっているが、学習者が語彙に触れる際に複数の感覚器官を利用するよう設計している本プロジェクトは、学習者にさまざまな学習様式を提供することを可能にしている。また、本論文では、語彙項目の翻訳、定義、説明、文法的特質の扱いなど、辞書項目を定義する際に生じるさまざまな問題も議論している。CALL辞書プロジェクトは現在、沖縄大学CALL教室を利用しており、語彙項目とその例文は音声と文字の両方で多言語表示が可能であり、簡単なテストも可能である。
- 2007-03-31
著者
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