慶良間諸島海域におけるサンゴ礁保全交渉
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概要
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慶良間諸島海域は、2005年11月に開催されるラムサール条約第9回締約国会議において、新たに条約登録湿地となる見込みである。これまで、慶良間諸島海域に位置する座間味村在住のダイビング事業者は、サンゴ礁保全について沖縄本島在住のダイビング事業者との交渉を重ねてきたものの、未だに交渉妥結の目処は立たない。本論文の目的は、慶良間諸島海域におけるサンゴ礁保全の重要性について概観するとともにサンゴ礁保全をめぐる交渉問題について、交渉担当者の態度の相違や保全意識の高まり、ラムサール条約への登録やISO14001の取得が交渉の帰結に及ぼす影響を二層ゲームの枠組みに基づいて考察することである。考察の結果、交渉担当者の態度の相違がサンゴ礁保全活動に大きな影響をもたらすこと、保全意識の高まりが交渉を有利に導く可能性が高いこと、より強気な交渉担当者を選ぶことで交渉が有利に導かれる可能性があること、そして、ラムサール条約やISO14001を活用することでより望ましい帰結が得られる可能性がある一方、その実現性には問題点が指摘されることが示された。
- 2006-03-31
著者
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