印画紙法による超音波像の撮影 : 撮影条件の決定と定常波の観察
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概要
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予め感光した印画紙の現像が,圧力や熱などによって促進され黒化するという原理を利用して,音波像の撮影を試みた.ここでは,この印画紙法における音波影撮の諸条件を超音波洗浄器内の音波像を撮る場合について調べ,また,長方形水槽内の定常波の観察を行なった.その結果,約4℃に冷やした濃度10%の現像液と硬調印画紙を用いて,音波照射と光照射処理を同時に行なって良質の音波像が得られることがわかった.円筒形超音波洗浄器内の音波像では,小さな黒点とその周りに同心円状に広がる縞が見られた.これらの音波像は主としてキャビテーションによる気泡によるものと思われ,黒点は洗浄器内の定常波の節の部分と思われる所に多数観察された.長方形水槽内の定常波の観察では,28kHzのπ形フェライト振動子を2個貼り付けたステンレス振動板と真鍮反射板との間で定常波を作り,その音波像を撮影した.印画紙にはほぼ等しい間隔で黒い縦縞が写り,それらは定常波の節の部分であることが水槽内の定常波の理論解析からわかった.また,縞の平均間隔2.65cmから,4℃の現像液中の音速1500m/secが求まった.
- 日本物理教育学会の論文
- 1985-06-05
著者
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