一様な磁場の湧き口の運動によって生じる電場について
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概要
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前々号に掲載された勝木論文の問題点を検討したうえで,一様な磁場の湧き口が等速度運動をする場合に生じる電場の問題を考察した.この問題は本質的には勝木論文の扱った問題と同種の問題だが,問題の提起のしかたによっては相対論の効用を認識させるうえでより効果的であると思われる.磁場の湧き口のヘリを電流でおきかえて考えた場合,導線に対する静止系では成立していた電気的中性が運動系からみた場合は破れてしまうことが電場を生じる理由である.この電気的中性の破れの原因は本質的には同時刻の相対性という相対論固有の問題に帰着できるということの平易な説明のしかたをこころみた.この問題は相対論固有のパラドキシカルな概念を比較的身近なものとして実感させるための題材としても,電磁気学そのものへの理解を深めさせるための題材としても非常に興味深い内容を含んでいる.
- 日本物理教育学会の論文
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