実験授業によるプロジュクト物理の効果について
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概要
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高校教育が準義務教育化し,中学校の基礎学力を充分身につけていない生徒もそのまま高校へ入学してくる今日において,彼らにどのように物理教育を行ったらよいかが高校物理教育の大きな課題の一つとなった.その課題を解決するためには,従来の科学主義的伝統的物理教育の殻を打ち破り,人間教育に貢献し得る物理教育という新たな理念のもとに一般教養のための高校物理教育の道が確立されなければならないであろう.幸い,人間性に立脚した万人のための物理コースを目ざしたHPPの実験授業を行ったところ,HPPの全ての教材を用いなくてもHPPのテキストに沿ってその物理教育のフィロソフィーを実現するよう物理コースを編成するならば,数学的基礎力に欠ける定時制高校生に対しても,物理に興味をもって学習させ,物理概念の理解においても物理に対する認識においても,好ましい成果をあげることが可能であるので,ここに報告する.
- 日本物理教育学会の論文
- 1977-08-20