物理教科書に現われる数式と高校数学との関連
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概要
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高等学校の物理の教科書には,公式あるいは重要な式と称して式番号の付けられたもの220余式,式番号のないものも含めると300余の式が,無策意とも思われるように配慮を欠いて掲げられている.これらの式のうち高等学校数学の学習内容に属するものは全体の30パーセント強で,残りの70パーセント弱は小・中学校の算数・数学知識に属する.高等学校数学の学習項目で見ても,全項目の4分の1が物理の式に関連しているにすぎない,高等学校数学は質・量ともに高校の物理学習の決定的な関所ではない.むしろ高校数学の枠外の数式の多さが,初学者にとっては数式の洪水・羅列と映り,その取扱いには系統性が乏しく,一層物理の学習の困難さを印象付けている,これらの数式の精選や配列の工夫によって,より学び易い高校物理も可能なのではなかろうか.
- 1989-02-25