片側遊離端欠損部インプラント症例の咬みしめ強度の違いによる歯列上咬合力の動態
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概要
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本研究では,初期咬合接触時に残存歯と同時接触する咬合を付与した片側遊離端欠損インプラント症例において,歯列上咬合力を指標とし,咬合力分布の前後的左右的特徴ならびに咬みしめ強さの咬合力分布に及ぼす影響を検討した。被験者は下顎片側遊離端欠損にインプラント上部構造を装着した5名である。咬みしめ強さを中等度から最大までの任意の数段階に調節させ,デンタルプレスケール^[○!R]を用いて記録,オクルーザー^[○!R]にて解析,各咬みしめ強さの大きさ毎に,各歯咬合力,総咬合力を求め,大臼歯部,小臼歯部,前歯部の各領域別の咬合力比(各領域の咬合力が総咬合力に占める割合:%)について検討した。また,Al(非対称性指数),各歯咬合接触面積,総面積,各領域別の面積比を求め検討した。最大咬みしめ時,総咬合力は平均1,494.4±306.9N,Alは平均5.2±3.2%で,各領域の咬合力比,面積比で左右対称の傾向がみられた。各領域の咬合力比と咬みしめ強さの回帰直線を求め,傾き0との有意差を傾きの差の検定を用いて検定したところ,30領域中29領域で有意差が認められなかった(P>0.05)。以上の関係から,残存歯と同時接触するような咬合接触を付与した片側遊離端欠損インプラント症例は,健常有歯顎者と同様な総咬合力,Al,咬合力分布,ならびに咬みしめ強さに対する各領域の咬合力比の変化が得られることが明らかとなった。
- 東北大学の論文
- 2005-12-27
著者
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