音楽演奏中の視線行動 : ライブ演奏の事例的研究(顔とコミュニケーション)
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概要
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音楽演奏において,視覚情報は演奏者の表現を聴取者が理解する上で重要な役割を果たしている.中でも視線は,これまでにも定性的にはその重要性が指摘されながら,定量的にはほとんど検討されてこなかった.そこで,本研究は,実際に演奏中の視線行動を分析することにより,音楽演奏に果たす視線の役割を明らかにすることを目的とした.手続きとして,音楽を専攻する学生で構成されたポピュラー音楽バンドの演奏を録画し,各演奏者の顔の向きを分析した.その結果,演奏者は楽曲構造に依存して互いに頻繁に視線を交わすこと,楽曲上の中心的な役割を担う者を見ることが示された.このような行動は,より良い演奏音の産出という演奏者間コミュニケーションのみならず,観客の注意を誘導し,次の音楽的主役へ向ける演奏者-聴取者間コミュニケーションの役割もあると考えられる.
- 2009-10-24
著者
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