日本企業における地域貢献活動のリスクと成長可能性 : 「不況期のCSR」についての一考察(第2報告)

元データ 2009-10-23

概要

2008年後半の世界同時不況以降、CSR活動を見直す企業も多い。特に、企業の本業との関係がわかりにくい地域貢献活動は、その存続が危ぶまれている。不況ゆえに活動が抑制されるのではなく、むしろ不況を乗り越えるため、地域社会の抱える課題解決を促進していくことが求められる。本報告では、CSRに積極的と考えられる日本企業13社の地域貢献活動を、(1)社会貢献活動の形態と(2)CSR活動の分類という2つのフレームワークで分析し、存続リスクと成長可能性を明らかにする。本分析によって、多くの地域貢献活動において、企業の意思が見えにくいことや、企業にとっての意義が不明確な状態であることを確認できた。つまり、地域貢献活動の大半が、不況期に縮小・中止されるリスクがあると考えられる。反面、少数だが、企業の本業そのものや、本業への波及効果が期待できる「戦略的地域貢献活動」の例も見出せた。自社商品を地域貢献の場に提供し、将来のビジネスチャンスを狙う活動など、地域社会と企業の双方にメリットがあると考えられることから、不況期でも安定して継続されやすく、今後の成長可能性が予測される。

著者

角 和宏 広島大学大学院博士後期課程
角 和宏 広島大学大学院社会科学研究科

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