高齢者ケアを担う性 : 女性によるケアの価値を高めるために
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概要
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高齢者ケアを担う性としての女性の背景にある差別的状況を解消するためには,ケアの普遍化と,一方で女性によるケアの価値を高めることの2つが考えられた.そこで,文献研究により,ケアを普遍化する手段としての同性間による「同性介護」を肯定する立場で検討し,他方で,ケアを女性に特化し,女性によるケアの価値を高める思考としての「ケアの倫理」を検討した.その結果,ケアの普遍化を目指した「同性介護」は,介護の社会化とともに必要ではあるが,ケアを担う性が女性に偏る不平等や,ケアを担う女性の差別的な状況の解決には至らないと考えられた.また,「ケアの倫理」を女性独自のケアの思想,あるいは価値として捉えるには,差別を助長する危険があった.よって,ケアにおける差別的状況の是正手段として,女性が主導権を握るケアや,「ケアの倫理」を評価したうえでの「正義の倫理」との総合的実践をあげた.さらに今後は,女性の視点を取り込んだ高齢者ケア政策が期待された.
- 日本老年看護学会の論文
- 2004-03-15
著者
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