せん妄状態にある老人保健施設入所者に対する看護師の認識とケアの現状
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概要
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老人保健施設入所者の痴呆性疾患や薬物の使用,代謝性疾患などに伴う精神症状や行動の障害などのせん妄状態を看護師がどのように捉え,対処しているのかを明らかにするために郵送によるアンケート調査を行った.回収施設数73件(回収率36.5%),562人の調査票が分析の対象となった.9割の対象が過去1年間にせん妄状態にある人を見かけた経験があり,そのときの入所者の状態として,落ち着きがなくなる,徘徊,見当識障害,夜間不眠・昼夜逆転,興奮,妄想,独語,大声・奇声などが多くあげられた.このような状態の原因には,環境の変化,発熱・脱水,薬物副作用,睡眠障害などがあげられた.行っている対処の内容は自由記述から,感情の安定,せん妄要因の除去,二次障害の予防の3つに分類された.対処の結果として,せん妄状態が改善したと答えた者は56.0%であり,改善なし34.1%,改善するときとしないときの両方が9.9%であった.また,せん妄状態の予防のために心がけていることは,感情の安定を保つ,活動と休息や全身状態のバランスを保つ,日常の観察,環境の調整に分類された.
- 2002-11-01
著者
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