論理と数学の現実への適用可能性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Popperはその適用可能である理由として3つあげている.a) 規則としてのこれら計算は意味論的体系である.すなわちある事実を記述する為に用いるという意図をもって組織された言語である.b) ある計算はある種の事実には適用できるが,他の種の事実には適用できないことがある.c) 計算を現実の世界に適用される限り,それは経験的に反例をあげることが可能になることもあるかもしれないような記述理論となって,論理計算という性格は失われる.またそれが真なる論理式とみなされる限り,それは反例をあげることは不可能であり,その限りで現実の世界には適用できない.Popperはこの論文の中で,Ryleは「適用可能性」の分析という角度からアプローチしたが,Popperは「現実の世界」の分析からそれに補足すると述べている.ここで私は,規則としての論理と,記述言語として適用された論理の関係を分析することによって,Popperの論点(c)を中心に適用可能性の性格を敷延したいと思う.
- 慶應義塾大学の論文