高密度のナンノクロロプシスがヒラメ卵のふ化に与える影響
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概要
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ヒラメ種苗生産の水作りに用いるナンノクロロプシスを用い、その細胞および遠心分離器で分離した上澄み液がヒラメ卵のふ化率および生残率に与える影響を検討した。その結果、嚢胚期とふ化直前の卵とも、3,000万細胞/ml以下のナンノクロロプシス密度であれば80%以上のふ化率が得られた。しかし、生残率はナンノクロロプシス密度が高くなるほど急激に低下し、ふ化直後の仔魚はナンノクロロプシス細胞の影響を受けやすい結果が得られた。この理由として、試験に用いたヒラメ卵の発育段階の差によるものでなく、ナンノクロロプシス中への浸漬時間とナンノクロロプシスの細胞自自体の影響がうかがわれた。一方、上澄み液はヒラメ卵のふ化率に影響を与えるが、ふ化以降の生残には影響しない結果が示された。ヒラメ卵のふ化を行う場合、ナンノクロロプシス密度は500〜1,000万細胞/mlの範囲に保つことが必要である。
著者
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