カキ幼生計数法の簡便化 : 沈降法による大きさ区分
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概要
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海で採集したカキ幼生を、ホルマリン海水を満たしたガラス管中を沈降させ、間隔の殻高別に区分することを試みた。幼生はストークスの法則に基づき、秒速1.1〜0.2cmの速度で沈降した。殻高90〜300μmの幼生を30μm間隔に区分するのに、管長80cmの50mlビュレットでは沈降距離が不足したが、130cmのガラス管ではほぼ必要な区分ができた。当初は、流体と幼生を一緒に排出させたが、試料注入後直ちに密栓することで、幼生だけを沈降・排出させ、順次分画を取ることができた。50mlビュレットを用いた場合はコック部分に溜るものがあり不都合を生じたが、先端を細くしたガラス管でその点は解決した。ガラス管は連結式として、任意の沈降距離を確保することもできた。ただし、同一分画内に殻高の異なるものの混入があったし、同サイズでありながら相当の沈降速度の遅速があるなどの難点もあった。それは幼生目体の密度差によるところが大きいと見られた。
- 福山大学の論文