A-5 世界金融危機とP2Mへの新たなニーズ : 機能重視型動態的ハイブリッド経営で日本企業は生き残れるのか(PMコンセプト,日本発信の仕組みP2Mコンセプト明確化と発展的展開-イノベーションを促進し、競争力再生と人材育成に貢献する-)
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概要
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現在、日本経済は、世界金融危機の影響を受けて、先行き不透明で不安定な状態にある。どうすれば、企業はこの不況を乗り切れるのだろうか、その過程で、P2Mは経営者などに役に何か役にたつ役割を果たせるのだろうか。筆者は、Yes,we can.と答えたい。日本企業とくに優秀な製造業、任天堂や大手総合商社などの非製造業は「失われた10(13)年」においても、自身の明確なビジョンの下、海外から良いもの、導入せざるを得ないものを選択的に吸収し、自身のコア・コンピテンスと統合し、新段階に進むという機能重視型・動態的ハイブリッド経営を行い、部分最適から全体最適へ向けてと進化を進めた。それは、概ね、「カイゼン」型のもので、海外では(国内でも)分かりにくい変化であった。今回の世界金融・経済危機は、資本主義の根幹を揺るがすような大激震を世界各地に与えており、日本もBRICsもその例外ではない。とくに、これまで世界のあるべき見本であるかのように喧伝されてきた米英モデルあるいは、その運用(規制・監督など)における重大な問題点が日々明らかになっている。筆者は、世界がその衝撃から立ち直るための生みの苦しみの中で、産業・技術の大変革を伴う新たなパラダイムシフトが起こると確信する。そういう局面では、「ミッション+合理的予測」から、向かう方向・シークエンスを決断し、立ち位置を激しく変えていく新たな逆フィードバック(=リーダーシップ主導)のプログラム・アプローチが必要とされよう。進化するP2Mは、-というより、それが、本来P2Mが創作された基本理由だったのだが-は、そういうアプローチを内包している。そういう諸点も踏まえ、われわれが今着手しなければならない課題は二つある。第1は、日本経済なかんずく企業進化の道程をP2Mの考えを用いて簡明に総括すること、第2は、その教訓に学びつつ、上記の逆フィードバック・アプローチを用いてこれから日本経済・企業やアジア諸国の経済・企業が歩むべき進路とくにミクロ経済とリスクの極小化の道筋を示すことである。
- 2009-04-18
著者
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