わが国木材関連企業の海外展開 : その実態と特徴(自由論題論文,1994年秋季大会)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1985年以降の異常円高,市場開放を進めた「経済構造調整」下において,わが国木材関連企業の海外展開は新たな段階に入った。それは円高定着によりコストの安くなった海外生産を利用し,日本への逆輸入や開発輸入を図ろうとする企業内国際分業に他ならず,個別資本の利潤獲得を目的としており,必ずしも木材資源確保型の海外進出ではなくなっている。その特徴は,第一に進出資本の多様化である。独自の技術基盤をもつ合板,製材,建材,住宅メーカーといった産業資本がリードしており,総合商社はメーカーの海外進出をサポートする役割へと後退している。第二には90年代になり,大手住宅メーカーの自社向け部材の海外生産工場の建設が相次いでいることが注目される。第三には,進出先も北米,東南アジア,オセアニア,南米に加え,ロシア,中国,北欧へと拡大しており,プレハブ住宅部材,フィンガージョイント材,集成材,パーティクルボード,MDFなどの高度加工木材製品の現地生産が多くなっている。
著者
関連論文
- 我が国の生活圏へ投入された木材炭素量の推移 : 木材需給関連統計からの試算
- 最近における木材価格変動の分析(III 1992年秋季大会)
- わが国木材関連企業の海外展開 : その実態と特徴(自由論題論文,1994年秋季大会)
- 環境問題と木材利用 : 木材利用に関する一般消費者の意識調査
- わが国紙パルプ産業における海外造林の展開(自由論題論文,1995年秋季大会)
- 論文3 近年における木材流通構造の変化と流通コスト問題(III 1993年秋季大会 自由論題論文)
- 2 外材輸入の新展開 : スーパー301条日米林産物協議と関連して(〔テーマ〕日米貿易摩擦と木材産業,V 1990年度第2回例会)
- 日米林産物モス協議と木材産業(自由論題報告要旨,1987年度秋季大会報告)
- 報告 市場開放下における木材問題(市場開放・円高下の外材輸入,1986年度第1回例会)
- パプアニュ-ギニアの林産業 (東南アジアの林業問題)
- コメント.第二回例会に参加しての感想(若手林業労働力の再生産問題,林業経済学会一九七九年度第二回例会)
- 東日本大震災後の木材産業問題 (緊急特集 3.11後の森林・林業・林産業(3))
- 最近の木材需給と価格の動向
- 東日本大震災後の木材産業問題(特別寄稿,3.11後の森林・林業・林産業(3))
- IV. パプアニューギニアの林産業(東南アジアの林業問題)