4. スーパーチルドの新技術(セミナー「食品における低温の利用」)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
漁獲直後の魚(サバおよびアジ)を-10℃程度の食塩ブラインに浸漬し,魚体表面を急速に半凍結状態にすると,魚は仮死状態になる.直ちに,凍結点付近の冷塩水に移し,均温冷却し,その温度で生鮮保蔵を行なった.一方,在来の氷蔵法を用い,常温から凍結点付近の温度域に直接冷却した場合についても行い,比較し,次の点を明らかにした.(1)漁獲時の魚体温を保蔵温度まで下げるのに要する冷却時間は,急速予冷処理により著しく短縮した.(2)凍結点付近の温度域で保蔵中の魚のK値が20%に達する日数は,急速予冷処理により2倍以上に延長した。(3)凍結点以下で保蔵中の魚の外観・官能は,凍結魚に近い状態を示したが,凍結点以上に昇温すれば,凍結前の状態にほぼ復元した.(4)急速予冷処理と保蔵に使用したブラインにより,魚体の塩分濃度は,サバの場合は表皮直下部,アジの場合は中心(腹腔)部で若干高い値が検出された.(5)急速予冷処理による筋肉組織の差異は認められなかった.
- 低温生物工学会の論文
- 1991-10-20
著者
関連論文
- かつお漁船の最近の各種凍結方法について
- 魚の凍結における破壊に関する研究 - 凍結時の魚体凍結部の面圧と応力 -
- 生鮮カツオのスーパーチルドに関する研究
- 4. スーパーチルドの新技術(セミナー「食品における低温の利用」)