糞上播種による寒地型イネ科牧草の放牧林地への導入
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概要
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放牧林地へ省力的に寒地型イネ科牧草を導入する方法として,放牧牛の排糞上に種子を播種する方法について,(1)樹木のない開放地,(2)相対光量子束密度35%程度のアカマツ疎林,(3)樹冠がほぼうっ閉した落葉広葉樹林の3ヵ所において試験を行った。いずれの場所でも,9月にペレニアルライグラス,オーチャードグラスを糞上に播種することにより,良好な発芽定着が得られ,翌年の初夏まで良好に生育した。夏以降,開放地においては高温の影響により,うっ閉した落葉広葉樹林では日射量不足により,牧草は急速に衰退した。アカマツ疎林では,夏以降も導入した牧草が維持されたが生育は不十分であった。いずれの場所でも,糞上播種の効果は翌年の初夏までと短いことから,ペレニアルライグラス,オーチャードグラスについては,本手法は実用的な技術にはなり得ないと考えられた。アカマツ疎林では翌年の夏以降も導入した牧草が維持されたことから,適度の庇陰は夏枯れの生ずる地帯において寒地型牧草の維持に効果があると見られた。
- 2009-07-15
著者
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