アカマツ林放牧地における林床植生と双対尺度法による構成植物種の位置づけ
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概要
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アカマツの部分的な伐採が行われるとともに,25年余りにわたって放牧が続けられてきた関東北部のアカマツ林の林床植生を,林地の条件との関連から明らかにした。本放牧林地の植生は,うっ閉林,アカマツの疎林,間伐によって生じた草生地の3タイプの植生に区分された。うっ閉林の林床ではテイカカズラやチジミザサが優占し,植被率は疎林や樹木のない草生地の88%に比べ49%と低かったが,草本性の植物種に加え木本性の植物が出現したため,種多様性は高かった。疎林の林床ではハイコヌカグサが優占しており,ある程度の庇陰が本草種の生育に適することが伺われた。草生地ではハルガヤやシバが優占していた。多変量解析の一つである双対尺度法により,うっ閉林の林床から草生地へと群落上の日射量が多くなるにつれ,テイカカズラなどの林床特有の植物種から,ハイコヌカグサ,さらにハルガヤ,シバへと草種が移り変わることが示され,群落を構成する各植物種の相対的な関係を明らかにすることができた。
- 2009-07-15
著者
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