子宮頸癌術後尿路合併症に対する研究
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概要
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子宮頸癌治療の主流が手術療法にある現在,広汎全摘術後にみる各種尿路合併症は,患者の予後に重大な関連をもつ。そこで広汎全摘除術を行なった症例について,術前・術後の各種泌尿器科的検査成績に検討を加えた。特に腎盂レ線像については,腎盂像の変化を単に形態的観察に留めず,レ線像上の二・三の部位を計測し,形態的変化との関連性について検討を加え,子宮頸癌術後尿路合併症の改善に寄与しようと試みた。1. 時間導尿群と留置カテーテル群で,自然排尿開始,残尿50ml以下に達する日数,膀胱鏡所見,膀胱容量に著しい差はみられなかった。2. IVPの異常所見は,下部尿管の狭窄によるものが多いが,一過性で自然治癒するものもあった。3. IVP計測の結果(a)腎杯の巾(b)腎盂の巾(c)腎盂の長さなどは,腎機能の増悪に従って平均値も増加した。4. 腎盂像計測の術後/術前の値は,病変とほぼ一致した。5. 術後腎盂像の変化で,術後/術前の比が大きい症例は,十分な経過観察が必要である。6. 子宮頸癌術後の尿路系障害のチェックは,術後3〜4週までに行なうことが望ましい。
- 千葉大学の論文
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