原発性肺癌の臨床酵素学的研究 : I. 組織における酵素活性とイソ酵素パタン
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者は,肺癌症例の血清β-G, L.D.H., A-P,活性の起源を知るため,まず手術による摘出肺16例と剖検例7例について肺癌病巣,炎症組織などの各肺組織と,他臓器の3酵素活性値を測定し,それらのイソ酵素パタンを検索した。現時点での資料採取方法では,癌組織のイソ酵素パタンと炎症組織のイソ酵素パタンは三酵素ともに類似しており,肺癌の特異的なパタンは得られなかったが,この実験から,人体の酵素の宝庫とも言うべき肝組織のイソ酵素パタンと肺のイソ酵素パタンを分別することが可能であること,また,β-G, L.D.H.では,病的肺組織の活性値が高く,血清酵素活性値に,かなり反映していることを推測した。なお,本稿実験に用いたβ-G活性値測定方法は,基質に生合成で得られたフェノルフタレインモノグルクロナイドを用いており,また,ナフトールAS-BIグルクロナイドを用いて,β-Gイソ酵素の分析を試みた。
- 千葉大学の論文
著者
関連論文
- 23)早期胃癌の一症例(ガン,第43回千葉医学会総会,第12回千葉県医師会学術大会連合大会,第5回日医医学講座)
- 19. 肺石症の1例(第460回千葉医学会例会 第2回肺癌研究所例会)
- 20. 多発性肺気腫性嚢胞症の1例(第460回千葉医学会例会 第2回肺癌研究所例会)
- 原発性肺癌の臨床酵素学的研究-1,2-
- 原発性肺癌の臨床酵素学的研究 : I. 組織における酵素活性とイソ酵素パタン
- 原発性肺癌の臨床酵素学的研究 : II. 血清における酵素活性とイソ酵素パタンならびに組織におけるこれらとの相関および治療による変動について