抗プソイドモナス性を有するニトロフラン誘導体の研究 : II. NF-1802物質の亜急性毒性について
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概要
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新しく合成されたニトロフラン誘導体NF-1802物質について,第1編に引続いて,食品添加物の場合実施される亜急性毒性試験に準じて,ラットを用いて3ヵ月の経口投与実験を行なった。わが国で殺菌料として食品添加物に指定されているニトロフラン誘導体AF-2についても同様の実験を行ない比較検討した。両物質の投与濃度は食餌中に0.1, 0.2, 0.4%とし,NF-1802物質については1.0%も加えた。NF-1802物質は0.1%でも軽度の成長抑制がみられ,0.2%以上では濃度に従い死亡率が高まった。生存例について各臓器の病理組織学的検査の結果は肝,腎の退行変性が軽度に認められたが,精巣の精上皮細胞変性は0.2%までは認められなかった。盲腸部の異常な拡張が特徴的に観察された。本物質はAF-2と比較すると,組織レベルでは一般的に中毒性病変が軽度であるが,成長抑制はAF-2より顕著であった。その理由は明らかではないが,一因として飼料摂取量がAF-2群より終始低値であったことがあげられよう。
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