抗プソイドモナス性を有するニトロフラン誘導体の研究 : I. NF-1802物質の抗菌性と急性毒性について
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概要
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細菌類のうちPseudomonas属は一般に抗菌性物質に対し抵抗力が強く,gentamicin, polymyxin Bなど少数の抗生物質が抗Pseudomonas物質として知られているにすぎない。最近わが国において合成されたnitrofuran誘導体のなかに,Pseudomonas属に対し強い抗菌力を示すものが見いだされた。著者はこの物質NF-1802について,抗菌力,抗菌性の安定性,食品防腐剤としての効力,ならびにその毒性について研究した。NF-1802物質はPseudomonas, Vibrioに対し0.01〜5mcg/mlの濃度でその発育を阻止する。抗菌力はgentamicinと同程度であると思われる。本物質はほかのグラム陽性,グラム陰性細菌に対しさらに強い抗菌力を示すが,抗真菌作用はない。本物質は熱,蛋自質および澱粉の存在下で安定であるが,紫外線によって不活される。本物質は化学療法剤としてよりは,食品特に魚肉に対して保存効果が期待された。本物質はマウスの経口投与LD_<50>値が8.4g/kg以上で従来のnitrofuran誘導体よりも低毒性のように推定された。
- 千葉大学の論文
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