軟レントゲン線治療の一考察 : II 遠隔照射法の一試案
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概要
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Dermopan 50KV, non filter, FHA 2m,1回照射線量20または30R,1週3回照射,照射総線量200〜300Rという小線量分割照射を紅皮症・乾癬・湿疹・アトピー性皮膚炎など,主として汎発性炎症性皮膚疾患41例に試みた。その成績は著効31,有効7,軽快9,無効3,増悪1例であり,特別な副作用は認められなかった。病理組織学的検査では炎症皮膚の過角化・錯角化・表皮肥厚などを軽快させ,表皮細胞のturn overを遅くさせるのに有効であった。照射前に錯角化・表皮肥厚があった部位に一致してジァスターゼ消化性のPAS陽性物質が表皮細胞内に蓄積し,同時に表皮細胞へのメラニンの伝達が阻害され,pigment blockadeが起きている。照射後は錯角化・表皮肥厚などの正常化とともにPAS陽性物質は消退し,pigment blockadeも恢復して表皮内メラニンが石垣状に蓄積していることがわかった。小線量分割による遠隔照射法はこれらpigment blockadeの起こる炎症性病変に対し,その恢復をはやめると同時に表皮代謝の正常化に役立つことがわかった。
- 千葉大学の論文
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