グリコチアミンの酵素的生成
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
生体内でクレアチンが生成される生化学的機序はBorsook, Dubnoff, Bloch, Schoenheimer, Vigneaud等の研究により,アルギニンからグリシンヘアミヂン転移反応が行われてグリコチアミンが生成される反応と,このグリコチアミンがメチール化されてクレアチンを生成する反応とから成り立つことが明らかにされている。しかし,アミヂン転移反応によるグリコチアミン生成の酵素的研究は僅かにBorsook等により報告されているのみである。Borsook等はラツテ腎臓皮質の組織切片またはホモゲネートをアルギニン・グリシン混液に作用させ,試験液中に残存するアルギニンをパームチツト吸着法により除去した吸着残余液の坂口反応陽性物質を定量して酵素的グリコチアミン生成実験を行つた。しかし,斯様にして測定された坂口反応陽性物質がすべてグリコチアミンであるとの確証は為されなかつた。従つて,著者は酵素の基質特異性に注目し,新たにグリコチアミン水解細菌酵素を利用して家兎腎臓皮質ホモゲネートによる酵素的グリコチアミン生成実験を行い,アルギニンとグリシンとからはグリコチアミンのみが生成されることを確認すると共に,アミヂン転移反応に関する二,三の検討を試みたので報告する。
- 千葉大学の論文
- 1955-07-28
著者
関連論文
- アラニンスルフィン酸の脱SO_2反応
- グリコチアミンの酵素的生成
- グリコチアミン水解細菌酵素
- 1) 家兎腎によるグリコチアミンの合成(千葉医学会第30回総会,昭和28年度千葉県医師会医学会連合大会)
- 30. Glycocyamine分解細菌酵素に就て(基礎医学,千葉医学会第29回臨時総会演題)