告知義務違反と重要事実
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概要
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商法第678条は,保険契約の締結にあたり,保険契約者または被保険者が,悪意または重大な過失により重要な事実を告げず,または重要な事項につき不実のことを告げた時は,保険者は保険契約を解除することができると規定している。これを告知義務という。告知義務制度は,被保険者の身体状態により危険選択を行う生命保険契約においては,非常に重要な意味を持っている。告知義務制度における,告知すべき重要事実に関しては,これまで,「生命の危険測定上の事実」であると解されてきた。しかし近時は,従来告知事項としては含まれてこなかった事項に関し,告知事項と解する見解や,医学の進歩により新たに生じてきた問題など,重要事実をどのように解するかが改めて問われているといえる。本論は,2008年に成立した保険法の下,これらの問題をどのように考えるべきかにつき,若干の検討を試みるものである。
- 2009-06-17