企業の社会貢献活動 : 理念・ブランド・地域の視点から(第2報告,第2セッション【CSR】,日本企業の経営実践と経営教育)
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概要
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今研究はCSR(Corporate Social Responsibility)にもとづく、企業の「社会貢献活動(Social Contribution Actibity)」に関する考察を、「いかなる要因によって、どのように貢献しているか」といった機能主義的な観点から試みるものである。現代はCSRをどのように定義するかという議論の段階から、施策実行を前提とした具体的本質を深める段階に来ている。さらに社会貢献活動についても、単に「陰徳」としての位置づけではなく、その分析枠組みの提示と実態面での具体的考察が早急に必要である。本論での主張は、企業の社会貢献活動は「本業」との関連性がひとつの評価軸であり、これに企業の持つ「社会性」と「戦略性」との相関を加味し規定できると考えることにある。「本業そのもの」を社会貢献に含むかは、企業の経営理念をいかに評価するかという立場に拠るが、ここでは経営理念を「活動の独自性を発揮する基本要素」と考える。また「本業の有形・無形の資産の活用」、「地域等との連携」を考えるとき、社会貢献活動の資源とは、収益を基盤とする経済力、従業員等の人材力など「直接的なパワー」ばかりではなく、「経営理念」「ブランド」といったソフトも活動の「資源」であると認識できる。また本業のもたらす「社会的負荷の解消」も貢献活動の一面として位置づけた。これら類型化のメリットは、将来の社会貢献を考える中小規模の企業において、その独自性を発揮することで社会貢献が可能であると認識をもたせ、また、その活動を「ステークホルダーにいかに認識させるか」といった課題に応用できること、などが挙げられる。
- 2009-06-26