経営者教育の実践と理論(第2報告,第3セッション【経営者教育】,日本企業の経営実践と経営教育)
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概要
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経営者教育に絞った著作についてこれまで我が国では経営コンサルタントの方々が発刊されたが、経営学者の経営理論と関連させて学界・学会で取り上げられることは余り無い。菅野寛氏は『経営者になる経営者を育てる-BCG戦略リーダーシップ』で、科学系スキル=能力だけでは解けない経営課題に対処するためのアート系スキルセット〔=優秀な経営者に共通〕、あるいは従来は暗黙知と扱われてきたリーダーシップ(=アート系スキル)で特に重要な要素を因数分解して出来るだけ形式知化し、体系的に整理された。「(1)強烈な意志」があってこそ、他の四つのスキル「(2)勇気」「(3)インサイト」「(4)しつこさ」「(5)ソフトな統率力」)を習得し磨くことができる、とした。これらは、バーナードの「管理者・経営者に特に要求されている貢献・資質」や「管理者・経営者の要件」と共通点が多い。亀井敏郎氏は『「経営職」を育成する技術-次世代リーダーはこうしてつくる』で、教育対象者を一つの職種(『経営職』)(会社トップと同様のスキルや思考方法)として意図的・計画的に育成しなければならないとした。その最大の特徴は、顧客起点という点にあり、問題を発見し収益が上がる形でその解決策を提供すべきとされた。人材が育ち企業価値が向上していく過程を五つの段階でとらえ、各段階と次の段階へのハードル越えとの具体化のための経営職プロジェクトと変革実践プロジェクトを提示した。これらは、ドラッカーの事業経営(現在と将来の顧客・市場・用途の創造)や最高経営職能と共通点が多い。 以上の補充点は、法令等遵守に基づく統治や対境関係・社会的責任経営等の教育である。
- 2009-06-26
著者
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