3次元形状情報を用いた顔認識
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概要
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顔認識は,顔画像の撮影が遠隔から非接触で行えるので,利用者にとって利便性が高い.特に,利用者がカメラをまったく意識しなくても撮影が可能であるため,指紋などの他のバイオメトリクス認証では難しい,監視や非対面型インタフェースなどの非積極認証用途にも応用可能である.しかし,顔画像はパターンとしての個人差が小さい上,姿勢・照明といった環境による変化が大きいため,高い識別精度を得ることが難しい.そこで,現在一般的に用いられている2次元画像を登録・照合に使う「2D-2D型」の顔認識に比べ,より環境変動に頑強な方式として,顔の3次元形状を計測して認識に用いる3次元顔認識技術の開発がすすめられてきた.3次元顔認識のシステム形態には,「3D-3D型」と「2D-3D型」がある.3D-3D型は,登録時・認証時共に3D形状計測を行う.識別パターンに3D形状情報が加わるため,2D画像のみの2D-2D型よりも識別精度を向上できると期待される.しかし,3D形状計測の制約により,非積極認証の用途には適用が難しい.一方,2D-3D型は登録時にのみ3D計測を行い,通常のカメラで撮影した2D画像を認識する.非積極認証にも応用可能で,登録時に得た3D情報を活用すれば,2D-2D型よりも環境変動に対する頑強性を改善できると期待される.本稿では,顔の3次元形状計測と3D顔認識技術のアルゴリズムと現状,および今後の展望について解説する.
- 2009-06-15
著者
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