アロプリノールによるDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1死亡例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は83歳,女性.アロプリノールの内服約1ヵ月後に,発熱とともに全身の紅斑や口唇のびらんが生じ,当院を受診した.血液検査で肝・腎機能障害がみられた.皮膚の紅斑部の病理組織学的検査では,真皮上層の血管周囲にリンパ球,好酸球を主体とする高度の炎症細胞浸潤を認めた.内服薬をすべて中止し,ステロイドパルス療法を施行した.皮疹は1週間で軽快し,ステロイド治療(PSL 15mg/day)を継続したが,肝機能障害は遷延した.その後,敗血症およびDICが生じ,集学的治療を行うも死亡した.アロプリノールとオキシプリノールの薬物血中濃度を測定すると,薬物を中止しても9日後までは,オキシプリノールの血中濃度高値が持続していた.最終的に自験例を,HHV-6とCMV抗体価の有意な上昇を伴った,アロプリノールによるdrug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)と診断した.
- 2009-05-30
著者
関連論文
- 症例 熱傷の治療経過中に静脈血栓塞栓症をきたした3例
- アロプリノールによるDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1死亡例
- 爪白癬に対するイトラコナゾールパルス療法の治療効果と爪混濁比の経時的推移
- P64 蕁麻疹患者QOLの検討 : ガイドライン治療がQOLに及ぼす影響(皮膚アレルギー1,第20回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- アトピー性皮膚炎患者に対する生活環境アンケート調査の臨床的有用性
- 482 IL-6ファミリーサイトカインによるマスト細胞増殖活性の検討
- 235 アトピー性皮膚炎患者角層中のIL-6ファミリーサイトカイン含量の解析
- 194 膠原病に伴うサイトメガロウイルス感染症の検討(自己免疫性疾患・免疫不全症1,一般演題,第21回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 熱傷治療時の少量のヘパリンが契機と考えられたヘパリン起因性血小板減少症 (heparin-induced thrombocytopenia : HIT) の1症例
- O12 IL-6ファミリーサイトカインによる線維芽細胞依存性のマウスマスト細胞増殖促進
- 250 Hypereosinophilic syndromeの1例
- 32 中等症以上の尋常性乾癖は血清総IgE値が上昇する(皮膚アレルギー2,一般演題(デジタルポスター),第57回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 広範囲の皮膚潰瘍を生じた難治性皮膚アレルギー性血管炎の1例
- Therapy(53)ステロイドパルス療法が奏効した難治性慢性蕁麻疹の1例
- MS7-4 アロプリノールによるdrug-induced hypersensitivity syndrome (DIHS)の1死亡例(薬物アレルギー,第20回日本アレルギー学会春季臨床大会)