中年期女性における更年期症状と閉経に対する意識の実態
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概要
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本研究は,日本の中年期女性が経験している更年期を,身体状況および閉経に対する意識の実態調査から明らかにすることを目的として行った。分析対象者は40 歳から60 歳の中年期女性366 名であった。質問項目は月経状態,更年期にともなう自覚症状,閉経に対する意識とした。月経状態に基づき,分析対象者を閉経前群,閉経中群,閉経後2 年以内群,閉経後2 年以上群の4群に分類した。主な結果は以下の通りであった。(a) 中年期女性が経験する更年期の自覚症状には閉経段階による違いがあることが示された。また症状全体では,閉経前から閉経中にかけて症状が高まり,閉経後においても持続する傾向があるという日本の女性の特徴が明らかとなった。(b) 中年期女性の閉経に対する否定的意識は全体的に低く,多くの女性はライフステージの中の自然な一段階として閉経をとらえていることがうかがえた。肯定的意識については,"ほっとする""解放であると感じる"など閉経が持つ"解放"の側面に同意する者が比較的多かったのに対し,閉経を人生の転換点として積極的に評価している者は少数であることが示された。以上の結果をふまえ,今後は生涯発達論的な視点から中年期女性にとっての更年期が持つ発達的意義について明らかにする必要性が示唆された。
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