オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州ワガワガ市における国語科教育の現状
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概要
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オーストラリアは,2000年・2003年に実施されたPISAの読解力調査結果で好成績を収めた。この要因として,母国語としての英語教育(国語科教育)の質の高さがあげられる。そこで,オーストラリアにおける国語科教育の現状を把握するため,ニューサウスウェールズ州ワガワガ市において現地調査を行った。幼稚園から高等学校段階までの公立・私立校を訪問調査したところ,親和的な雰囲気の中で極めて意欲的に学習に取り組む児童生徒の姿や,教師による実生活の文脈に即した授業づくりがみられた。また,ワガワガ市内の各校を指導する専門職員や小学校教師からの聞き取り等から,州の学習指導要領及び単元の解説書を基に教材を自ら開発していく教師の質の高さと,それを支える支援システムが浮かび上がった。また,現地で入手した学習指導要嶺と解説書について,その特徴を我が国の学習指導要嶺とも比較しつつ考察したところ,具体的な言語活動を豊富に示し,PISAの読解力においても問われた読みの力を確実に育成できるようにしていることが明らかになった。キーワード:PISA, 読解力, オーストラリア, 学習指導要領
- 2008-03-19