歩行期のDuchenne型筋ジストロフィー患者への理学療法の効果 : 5年間の追跡研究
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概要
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【目的】歩行期のDuchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy;DMD)患者に対して,長期的に理学療法を継続することが関節可動域(ROM),筋力,日常生活活動,肺機能の維持に有効であるかを明らかにすることである。【方法】7歳時点で独歩可能なDMD患者10例を実施群とし,ホームプログラムの指導を含めた理学療法を5年以上継続し,経過を追った。対照群として,過去の診療録から実施群と同様,7歳時点で独歩可能であり,5年以上経過を追えた11例を選択した。【結果】経過に伴い実施群は股関節伸展,膝関節伸展,足関節背屈のROMで減少の程度は軽減できたが,筋力は両群で差を認めなかった。10m歩行,装具なし立位保持,3m寝返りが可能な期間は,実施群で長かった。また肺機能は,実施群が立位保持不可能となった平均年齢の11歳で比較すると,%VCが実施群で高値であった。【結論】歩行期から理学療法士が積極的にかかわることで二次障害であるROM制限を予防し,歩行や立位保持などの動作可能な期間を延長できることが明らかになった。また,肺活量の低下を抑え,今後の病勢の進展に伴う咳嗽能力の低下に対して好影響を及ぼす可能性が示唆された。
- 2009-06-20
著者
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山本 洋史
独立行政法人国立病院機構刀根山病院リハビリテーション科
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植田 能茂
独立行政法人国立病院機構兵庫中央病院リハビリテーション科
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藤本 康之
独立行政法人国立病院機構神戸医療センターリハビリテーション科
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