幼児における協調運動の遂行度と保育者からみた行動的問題との関連
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概要
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本研究は、協調運動の不全と心理社会的問題の関連に着目し、その初期状態をとらえることを目的とした。4〜6歳の幼児94名に対し、協調運動の遂行度を測定する実技検査を実施し、対象児の担当保育者に、初期の心理社会的問題と考えられる行動的問題の程度を測る質問シートへの記入を依頼した。その結果、幼児期においてすでに、協調運動が不全であるほど行動的問題が深刻であり、その逆も同様であることが明らかになった。行動的問題に強い影響を与えていた因子には'落ち着きのなさ'と'消極性'の2つがあり、前者は協調運動の「手先の器用さ」「静的・動的バランス」検査領域との関連が認められ、後者は「手先の器用さ」と関連することが示唆された。また、2因子と協調運動の各検査領域を互いに説明変数とした重回帰分析から、両者が相互に説明し合う関係にあることが示された。以上より、協調運動の不全について早期から認識し、配慮していく必要性が導かれた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2008-05-31
著者
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