ガラスビーズを用いた培養系における脱窒細菌Pseudomonas sp. strain DP-4のバイオマスおよび脱窒におよぼす原生動物Tetrahymena thermophilaまたは糸状菌Trichoderma virideとの混合培養の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
脱窒細菌Pseudomonas属DP-4株のバイオマスおよび脱窒が,原生動物Tetrahymena thermophilaまたは糸状菌Trichoderma virideと混合培養されたときに受ける影響を,モデル土壌粒子であるガラスビーズ有りまたは無しの培地において調べた.バイアル中の,ガラスビーズ5gが有りまたは無しの培地1.5mLにてDP-4株を純粋培養,またはT.thermophilaまたはT.virideと混合培養し,硝酸アンモニウムを4.5μgNvial^<-1>d^<-1>,グルコースを50μgCvial^<-1>d^<-1>の速度で添加した.ガラスビーズ有りのとき,直接検鏡法より求められたDP-4株の全バイオマス(μgNvial^<-1>)は培養16日目以降,純粋培養系においては118〜141,T.thermophilaとの混合培養系においては20〜24,T.virideとの混合培養系においては23〜30と一定であった.粒子態有機窒素(PON)量から求められた全微生物バイオマス(μgNvial^<-1>)は,DP-4株の純粋培養系において116〜147,DP-4株とT.thermophilaの混合培養系において70〜82,またはDP-4株とT.virideの混合培養系において91〜102であった.ガラスビーズ有りのとき,DP-4株の全バイオマスが一定のときのDP-4株の生細胞バイオマス当たりの脱窒速度(ngN(μgN)^<-1>d^<-1>)は純粋培養系においては1.4,T.thermophilaとの混合培養系においては34,T.virideとの混合培養系においては0.047以下の検出限界値以下であった.ガラスビーズ無しのとき,DP-4株の全バイオマスが一定のときのDP-4株の生細胞バイオマス当たりの脱窒速度は検出限界値以下であった.本報告は,脱窒細菌の脱窒が,原生動物との混合培養系において促進されることをガラスビーズ有りの培地において明らかにした初めての例である.
- 2008-02-05
著者
-
多羅尾 光徳
東京農工大学農学部
-
松野 健二
東京農工大学農学府物質循環環境科学専攻
-
瀬戸 昌之
東京農工大学大学院共生科学技術研究院環境資源共生科学部門
-
松野 健二
東京農工大学農学府物質循環環境科学専攻:(現)千葉県長生農林振興センター
-
多羅尾 光徳
東京農工大・院
関連論文
- ガラスビーズを用いた培養系における脱窒細菌Pseudomonas sp. strain DP-4のバイオマスおよび脱窒におよぼす原生動物Tetrahymena thermophilaまたは糸状菌Trichoderma virideとの混合培養の影響
- A-12 糞便汚染指標細菌の熱帯アジアにおける信頼性の検討(環境衛生,A会場,口頭発表)
- A-13 マレー半島西岸部における大腸菌群と糞便由来ステロール類を用いた糞便汚染のモニタリング(モニタリング,口頭発表)
- 1D-12 繊毛虫Tetrahymena thermophilaとの共培養において促進されるRhodococcus属LM-1株のグルコース消費(口頭発表)
- 森林と農耕地の土壌における微生物バイオマスと団粒構造に風乾・湿潤がおよぼす影響
- P-136 2,4-Dichlorophenol分解細菌の銅イオン耐性に原生動物Tetrahymena thermophilaが及ぼす影響(ポスター発表)
- 1D-10 Burkhorderia属DP-4株の生残性に及ぼすRhodococcus属LM-1株と可視光の複合影響(口頭発表)
- A-16 堆肥を連用した農耕地土壌における2,4,5-trichlorophenol分解微生物密度(農耕地生態系,(2)口頭発表会,研究発表会)
- PB-73 モデル土壌培養系の細菌バイオマス炭素に原生動物と糸状菌がおよぼす影響(農耕地生態系,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- 堆肥連用土壌と化学肥料連用土壌における2,4,5-trichlorophenol (TCP)の微生物分解,TCP分解微生物の密度,および土壌溶液の溶存有機態炭素量
- ポ-ラスコンクリ-トと吸リン剤を組み合わせた池水浄化法の提案
- 純粋培養・混合培養におけるPseudomonas属細菌DP-4株による低濃度・高濃度2,4-dichlorophenol (DTP) の分解後にみられるDCPの残留
- 微小生態系における2,4-dichlorophenol(DCP)の分解および微生物の密度におよぼすDCP濃度の影響
- ガラスビーズカラムにおける土壌微生物群集のバイオマスおよび窒素・炭素収支におよぼすpHの影響
- 窒素源を制限した培養系における大腸菌(Escherichia coli)の菌体生産効率と窒素収支
- ポーラスコンクリートブロックと吸リン材を投入した水槽の透視度に及ぼす魚類の影響
- ポーラスコンクリートブロックと吸リン材を含む池の水質とリン・窒素収支
- B311 化学肥料施肥土壌と堆肥施肥土壌における2, 4, 5-trichlorophenolの分解と分解微生物密度
- B310 液体または土壌におけるPseudomonas sp. strain DP-4の成長と2, 4-dichlorophenolの分解の純粋培養系と混合培養系との比較
- 陸水におけるPseudomonas aeruginosaの生残性を制限している無機塩類を検討するための合成無機培地の有効性
- C-27 土壌におけるPseudomonas sp. strain DP-4の成長と2,4-dichlorophenolの分解におよぼすYS-1(細菌), Tetrahymena thermophila, Trichoderma virideの影響(バイオレメディエーション,口頭発表)
- C-18 Pseudomonas aeruginosaの生残性の合成無機培地と自然試水における比較(生理・増殖,口頭発表)
- 27-B-10 光感作物質が可視光照射条件下における塩素化フェノール類の生分解におよぼす影響(バイオレメディエーション,一般講演)
- B-25 Pseudomonas sp. strain DP-4による2,4-dichlorophenolと2,4,5-trichlorophenolの分離におよぼす可視光と補助基質の影響(バイオレメディエーション,B会場,口頭発表)
- Pseudomonas sp. strain DP-4による2,4-dichlorophenolと2,4,5-trichlorophenolの分解におよぼす可視光の阻害的な影響
- C124 多摩川試水における 2,4-dichlorophenol の微生物分解と分解微生物群集密度におよぼす類似化学物質の影響
- 土壌生態系の微生物食物網の構造がマスバランスにおよぼす影響
- 土壌の二酸化炭素の放出速度と温度および溶存有機炭素量との関係
- 土壌の二酸化炭素の放出速度と土壌溶液中の溶存有機炭素量との関係 : とくに土壌を風乾湿潤処理した場合
- 過硫酸カリウム-赤外線ガス分析計による土壌の全炭素の迅速高感度定量法(日本土壌肥料学会 昭和55年度大会プログラム)
- 生ごみ堆肥化の意義と普及への課題 (特集 生ごみ堆肥化への道--ごみ問題と農業問題から、その必要性を見直す)
- ポーラスコンクリートブロックと吸リン材による汚水の三次処理法の提案
- 池水の透視度とクロロフィルa濃度およびリン・窒素濃度の関係
- 土地利用および土壌管理の異なる火山灰土壌における糸状菌と細菌のバイオマス
- 火山灰土壌における微生物の単位バイオマス当たりの呼吸速度と炭素収支 : 三種の土地利用間の比較
- 森林と農耕地土壌における微生物バイオマス炭素におよぼす土壌の撹拌, 温度および含水比の影響
- 吸リン材とポーラスコンクリートブロックを組み合わせた池水浄化法を用いた水槽における添加したリンと窒素の分布
- 土壌呼吸(シリーズ森をはかる その5)
- Pseudomonas 属の細菌(DP-4)による低濃度2,4-dichlorophenol の分解に及ぼす2,4,6-trichlorophenol の影響
- 多摩川 (中河原), 奥多摩湖の試水における添加した低濃度 2,4-dichlorophenol の分解について
- C124 環境試水における低濃度の 2,4-dichlorophenol の分解
- 農耕地および森林土壌における微生物バイオマス炭素と無機イオン量との関係
- 持続可能な社会を目指して : 物質循環の視点から(シンポジウム「いま『共生』とは?-持続可能な社会を目指して)
- 多摩川流域の数種の土壤における二酸化炭素の放出速度と土壌溶液中の溶存有機炭素量との関係
- 湿式酸化-赤外線ガス分析計による全有機炭素の高感度迅速定量法
- 野外における林地と畑地の土壌溶液中の溶存有機炭素量
- 土地利用および土壌管理の異なる火山灰土壌における糸状菌と細菌のバイオマス
- 農耕地および森林土壌における微生物バイオマス炭素と無機イオン量との関係
- 火山灰土壌における微生物の単位バイオマス当たりの呼吸速度と炭素収支 : 三種の土地利用間の比較
- 管理強度が異なるいくつかの土壌の野外における炭素収支(1997年度大会一般講演要旨)
- 炭素源を制限した培養系における緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の生長速度, 菌体生産及び炭素収支におよぼす温度及び浸透圧の影響