後期青年期女性のアイデンティティ探索における心的安全空間の広がり : 心的安全空間としての自己身体接触の多様化の事例を通じて(臨床心理学)
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概要
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本研究は,青年期のアイデンティティ追求時の人格成熟過程において,人格発達に資する葛藤への取り組み作業に対して身体が心的安全空間として機能することを明らかにし,その際の心的安全空間の多様化のプロセスを捉えることを目的とした.実験的アイデンティティ,グループの参加者に対して行った心的安全空間質問紙の結果から,青年群と大人群の特徴を比較した上で,前者の特徴が見られた後期青年期女性の観察研究を行った.理論仮説は,(1)青年期のアイデンティテイ追求において,身体の心的安全空間は重要な土壌となる.(2)身体の心的安全空間は,心的安全空間の階層性が成立することにより多様化し,さらにそのサブシステムである個人内領域の心的安全空間も拡大する,とした.(1)は支持され,(2)は概ね支持された.揺らぎを経験する青年期に,最も安定した心的安全空間の一つとして身体が機能することで,スープラ・システムの心的安全空間は拡大し,同時に個人内の心的安全空間も拡大することが示された.
著者
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ジェイムス 朋子
国際基督教大学高等臨床心理学研究所
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揖斐 衣海
国際基督教大学高等臨床心理学研究所付属心理相談室
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生井 裕子
国際基督教大学教育学研究科
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荻本 快
国際基督教大学教育学研究科
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苫米地 憲昭
国際基督教大学高等臨床心理学研究所
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苫米地 憲昭
国際基督教大学 カウンセリングセンター
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