映像発達研究法の可能性 : フィールドにおける洞察を観る
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概要
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発達心理学の研究において利用される映像(写真,ビデオ,フィルム)は,ビデオ機器の利用が始まった1970年代頃から近年に至る技術的利便性の向上に伴い,膨大な蓄積があると思われる。しかし心理学領域における,写真を含む映像メディアの理論化の遅れは,子どもの映像認識発達の解明よりも,研究者の方法論としての映像利用の考察において立ち遅れ,結果として映像メディアの本来の可能性を不当に狭めるものとなっていると思われる。今日の人々の映像利用の増大の潮流にあっては,映像を単にデータ作成の補助的道具として位置づけるのではなく,発達現象の研究内容と深く関わるものとして映像メディアを位置づけ直し考察することが急務である。このような心理学の現状に比して,すでに映像利用の新展開を迎えている,一般社会や他の学問領域を参照しつつ,今後の発達心理学における映像メディアの位置づけと理論化の可能性を提唱する。
- 日本発達心理学会の論文
- 2009-04-20
著者
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