韓国最初の活版印刷による多言語『韓佛字典』の刊行とそのタイポグラフィ
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概要
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本論文は、19世紀後半にパリ外国宣教会の宣教師による多言語『韓佛字典』の刊行及びそのタイポグラフィの特徴について考察し、以下のようなことを明らかにした。『韓佛字典』は、韓国における新式活版印刷による韓国最初の横組み多言語辞典である。『韓佛字典』の出版者C.Levyは、「セールレビーCerf Levy」であることが判明した。韓国語の活字書体は、チェ・ジヒョクが原字を書き、それを5号活字として製作された。多言語組版は、韓国語/発音(欧文)/漢字/意味(欧文)の表記順で7つの組版に構成しており、ベタ組均等配置の組み方を基準として運用された。特に、漢字由来の韓国語にはアステリスクが表記され区別されている。以上が本稿における主な新しい知見である。『韓佛字典』には、今後の韓国における発展のために重要な内容が含まれていることを明確にした。
- 2009-03-31
著者
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