高分解能衛星データの森林モニタリングへの利用
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概要
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本総説では,高分解能衛星データの特徴について述べ,単木および林分を観測する手法とその検証結果について整理した。さらに,これまでに森林モニタリングの分野で高分解能衛星データが応用された事例を紹介し,今後の課題と展開について述べた。高分解能衛星データは,単木レベルでの観測が可能であり,局所最大値フィルターによる梢端の抽出や,Watershed法やValley-following法による樹冠分割が可能である一方,太陽光の当たり方の違いにより同一樹種の林分においても輝度値が異なる。そのため近年では,オブジェクト指向型分類が森林情報の抽出に用いられるようになってきている。高分解能衛星データは,おもに自然災害や病虫害といった森林被害のように緊急性が高いもの,あるいは代替の情報の取得が困難なものに対して研究の応用事例がみられる。光学センサとしての問題はあるものの,センサの高分解化によりデータから得られる情報は確実に増大している。これらの情報をいかに実用的に引き出し,現実の問題に対処していくのかといった視点での解析に関する経験の蓄積が重要であると考える。
- 2009-04-01
著者
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