最適通貨圏の理論と欧州通貨統合
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概要
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1999年のユーロ誕生から10年目を迎え、通貨統合後のデータを用いた統合の効果の検討が本格化しつつある。欧州通貨統合の研究はいよいよ新しいフェーズに移行したと言えるが、ユーロの誕生はデータの入手可能性を拡大したのみならず、分析視角を拡大することにも貢献した。本稿は、この10年間を通貨統合研究の仕切り直しの時期ととらえ、最適通貨圏の理論のこれまでの取り組みを概観し、理論による予測と現実との不整合から3つの課題点を抽出、今後の研究の方向性として提示する。