日本における市民社会の理論とイメージ : 知識人の言説とユーモア小説の対比を手がかりに
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
素朴だが核心的な問いから始めたい。はたして日本に市民社会と呼びうるものが存在するか。日本にも「市民社会論」を研究して、非常に独創的な業績を発表してきた社会科学者たちがいないことはない。しかし、上の問いにたいする日本の代表的市民社会論者たちの答えは、どちらかと言えば「存在しない」に近いのである。筆者は、「日本の市民社会」という問題について、従来の市民社会論者とは異なった見解を有している。したがって、本稿では、まず従来の日本市民社会論を批判的に検討した後(第1節)、小説を資料として、従来の理論とは異なった角度から日本における市民社会のイメージを検討する(第2節)。そして、このような論議が市民運動にたいして有する合意に簡単に注意を促し(第3節)、最後に、日本の市民社公論と市民社会の今後の課題を提示しようと思う(第4節)。
著者
関連論文
- 日本における市民社会の理論とイメージ : 知識人の言説とユーモア小説の対比を手がかりに
- 天安門広場の空間政治学 : 観光を通じてみる中国のモダニティ(1)
- リテラシーとイメージギャップ : 日韓関係を中心に
- 真鍋祐子著『烈士の誕生 : 韓国の民衆運動における恨の力学』