北京の扁担戯
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概要
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一九九一年五月の北京で「扁担〓(ビエンダンシー)」を観ることができた。それは中国の古い伝統を伝える一人遺いの人形劇である。私は長い間中国の伝統的な人形劇を観たいと願っていたが、ようやく北京市宣武門内大街にある中国木偶芸術劇団を訪問する機会に恵まれ、北京に遣存するただ一人の演技者李乾元(李千元)氏を北京友誼賓館内、〓園の中庭に招くことが実現したのであった。柳絮(りゅうじょ)の舞う緑の木陰で、滞在中の日本人や中国人服務員にとり囲まれて演ぜられた小さな舞台の人形劇はあたかも一幅の風俗絵巻であった。ここに、その折の李乾元氏の扁担戯を紹介しておきたいと思う。その人形劇は、奈良時代に源を発する日本の操人形の展開に何等かの影響を及ぼしながら今日に至ったもののように思われる。
- 1991-09-30
著者
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