不確実性のゆくえ : フランスにおける連帯経済の事例を通して(<特集>アカウンタビリティ)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論は、よりアカウンタブルになっていく世界における人々の経験の不確実性のゆくえを、フランスにおける連帯経済という事例を通して問うものである。連帯経済とは市場経済の全面化に対抗して互酬性や贈与の理念にもとづいた経済を作り出していこうとする動きである。本論では、この動きをよりアカウンタブルな世界の構築として分析する。そのためにまず、よりアカウンタブルな世界の構築とは何かを先行研究の解読を通して明らかにする。そこで明らかにされるのは、人びとの認知を標準化し媒介するもの(本論ではそれをディスポジティフと呼ぶ)がつくられ配置されていくことによって、不確実だった日常世界をより客観的なかたちで認識することが可能になるという意味でのアカウンタビリティと、人びとの活動をなぜそうするのがよいのかはっきりと言葉で説明できるという意味でのアカウンタビリティを同時に作り出していくということである。この観点から連帯経済は、互酬性や贈与の価値にもとづくアカウンタブルな世界を作り出していくものとして理解できる。しかし、そこでは人々の経験は確実で説明可能なものへと飲み込まれていくのだろうか?これが本論の問いである。日常的文脈における交換の事例を通して、本論ではディスポジティフが世界を説明可能にする力は限定的であり、状況は多くの場合あいまい、不透明、不確実であることを示す。そして、このような状況での行為はアカウンタブルではない「賭け」となると論じる。
- 2009-03-31
著者
関連論文
- 不確実性のゆくえ : フランスにおける連帯経済の事例を通して(アカウンタビリティ)
- ネフローゼ症候群・潰瘍性大腸炎を合併し重度のAR, annulo-aortic ectasiaをきたした大動脈炎症候群の一症例 : 日本循環器学会第73回近畿地方会
- 126)CD36欠損による心筋脂肪酸代謝異常が成因と考えられる特発性心筋症の1症例
- 0566 マクロファージの分化、泡沫化におけるHB-EGF、CD9発現の検討
- 76)進行する冠動脈疾患に対し CABG を施行した Werner症候群の1例
- FH-like syndromeの冠動脈所見 : 日本循環器学会第73回近畿地方会
- 98) 66歳時に初めて心筋梗塞を発症した家族性高コレステロール血症ホモ接合体の長寿症例
- P321 ヒト大動脈壁における酸化LDL受容体CD36の発現 : 免疫組織学的検討
- 徐脈性不整脈に伴う失神発作を生じた異型狭心症の2症例 : 日本循環器学会第74回近畿地方会
- 0127 マクロファージの生理機能におけるCD36の意義 : CD36発現細胞及びCD36欠損マクロファージを用いて
- P323 ヒト単球由来マクロファージ(hMφ)における酸化LDL受容体 : CD36の発現調節
- 難治性胃潰瘍の成因として収縮性心膜炎が関与した一症例 : 日本循環器学会第73回近畿地方会