適応電力配分を用いた変調シンボル重畳による双方向中継伝送の特性評価(マルチホップ,メッシュネットワーク,ネットワーク符号化,無線通信一般)
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概要
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本稿では,変調シンボル重畳を用いた双方向中継伝送において,中継局において付加される雑音の影響を除去しつつ中継局の誤り伝搬を防止する手法として,decode and forward(DF)方式とamplify and forward(AF)方式の双方を適応的に用いるhybrid forward(HF)方式を提案する.さらに中継局の位置が双方の宛先局の中間点に位置していない場合においても,中継局が中間点に位置している理想的な場合からのシステムスループットの劣化を低減する,中継局における適応電力配分法を提案する.宛先局はopportunistic listeningにより直接受信したオーバーリーチ信号の変調シンボルと,中継信号から抽出した所望変調シンボルのダイバーシチ合成を行う.中継局は,双方の端末局から受信したパケットを一度復調し,ビット誤りの判定を行う.その判定結果に応じてDF方式とAF方式を切り換えて変調シンボルを重畳する.さらに,適応電力配分手法では,中継局が変調シンボルを重畳する際にend-to-endのSNRが等しくなるように,重畳する各変調シンボルに対する送信電力を,中継局から双方宛先局への伝搬路利得を考慮し参照した上で適応的に配分する.これにより,中継局が中間点に位置していない場合,すなわち,中継局から双方宛先局への伝搬路利得に偏りがある場合に発生し,システムスループット劣化の原因となる双方向フローにおけるend-to-end SNRの不均衡を解消する.計算機シミュレーションにより提案法の評価を行い,中継局が中間点に位置していない場合においても,システムスループットの劣化が低減されることを明らかにした.
- 2009-05-14
著者
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大槻 暢朗
NTTアクセスサービスシステム研究所
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浅井 裕介
NTTアクセスサービスシステム研究所
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杉山 隆利
NTTアクセスサービスシステム研究所
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大槻 暢朗
日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所
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浅井 裕介
日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所
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浅井 裕介
日本電信電話株式会社ntt未来ねっと研究所
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