飛騨山地大谷礫岩産の'Lepidolina'
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概要
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太田・山口によって,大谷礫岩中の石灰岩礫より発見された'Lepidolina' kumaensisおよび'Lepidolina' sp.について記載した.'Lepidolina' kumaensisはYabeina globosa, Gublerina elongatu, 'Lepidolina' mulutiseptataと共にNeoschwagerininaeのうちで最も進化した種の一つである.その外形は軸の方向に伸長した亜円筒状の紡錘形であり,大きな初房を持ち,きわめて薄い外壁と巾せまい短冊状の副軸隔壁および正・副旋回隔壁によって特徴づけられている.この特徴はYabeinaのそれよりはむしろGifuellaに近い,'Lepidolina' kumaensisのこの特徴はGifuella douvillei, Gifuella gifuensis, Gifuella amiculaへと地質時代をさかのぼることができる.この系列は,Neoschwagerina-Yabeina bioseriesと平行するGifuella-'Lepidolina' bioseriesの一グループの系統を代表するものである'Lepidolina' sp.は'Lepidolina' kumaensisに非常に近い性質を有している種であるが,不完全なしかも一個体の標本であるため,さらに検討を要する.
- 地学団体研究会の論文
- 1965-01-30